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西谷 健夫
放射線, 31(2), p.97 - 104, 2005/04
トカマクを中心とするプラズマの磁場閉じ込めの研究では、核融合の科学的実証を目指して研究が進められており、すでに米国のTFTRとEUのJETではDTプラズマ実験が実施された。また現在国際熱核融合実験炉ITERの設計が国際協力で進められており、まさにその建設が決まろうとしている。核反応を伴わないプラズマの診断では、プラズマから放出される電磁波や中性粒子が主な測定対象になっていたが、DD反応やDT反応などの核反応を伴うプラズマでは、中性子,粒子を初めとする高速荷電粒子,線といった放射線が大量に放出され、それらの計測はプラズマ診断の大きな手段になってきている。ここではITERにおける核燃焼プラズマの計測を中心に放射線を用いたプラズマ診断について紹介する。
飛田 健次; 中山 武*; Konovalov, S. V.; 佐藤 正泰
Plasma Physics and Controlled Fusion, 45(2), p.133 - 143, 2003/02
被引用回数:35 パーセンタイル:70.78(Physics, Fluids & Plasmas)高い安全係数を持つ負磁気シアでは、トロイダルリップルによる粒子損失の増大が問題になる。このような損失を抑制する方法としてITERではフェライト鋼装着によるリップル磁場の平滑化を考えており、この方法の評価は高エネルギー粒子に関する国際トカマク物理活動(ITPA)の重要課題であった。本稿は、ITPAのタスクとして実施したシミュレーション結果をまとめたもので、粒子損失低減に対してフェライト鋼装着が極めて有効であるを示す。フェライト鋼の装着位置及び厚さを最適化すると、粒子の閉じ込めに不利な高安全係数運転(q=3)ですら、損失パワー割合は1%程度に抑制されることを明らかにした。
Lee, S.; 近藤 貴; 三浦 幸俊
プラズマ・核融合学会誌, 77(9), p.919 - 929, 2001/09
燃焼プラズマの中心部における不純物、D/T燃焼比及びヘリウム灰計測は核融合燃焼プラズマ実験において最も重要な計測のひとつとなる。しかしながらこれらのパラメータの測定手法は未だ確立されたとは言えず新規の診断法の開発が期待されている。このような計測課題に対し、協同トムソン散乱を用いた先進的計測手法を提案する。本論文ではこの測定法の計測原理と国際熱核融合実験炉(ITER)において期待される散乱スペクトルの計算結果を示し、その実現可能性を示した。次にイオンサイクロトロン周波数に比例した共鳴スペクトルの観測条件と要求される装置性能について議論を行った。さらに既存のトーラス装置であるJT-60UとLHDにおける本手法の適用可能性を検討した結果、これまでの技術と装置を利用することで十分に原理実証実験が可能であることを示した。
草間 義紀; 小関 隆久
日本物理学会誌, 56(4), p.262 - 266, 2001/04
トカマクプラズマにおいて、高速イオンが励起するアルヴェン固有モードの周波数領域で急激な周波数変化を伴った間欠的な磁気振動を見いだした。さらに、高速イオンエネルギースペクトルの測定から、この間欠的現象が高速イオンと磁気振動との共鳴的相互作用によることを明らかにした。高温プラズマにおける電磁流体的振動と高速イオンの相互作用の解明は、核燃焼プラズマ物理を理解し、粒子によるプラズマの加熱が支配的な核燃焼プラズマを実現するための研究の最前線の一つとなっている。
Lee, S.; 近藤 貴; 芳野 隆治; Cho, T.*; 平田 真史*; 三浦 幸俊
Transactions of Fusion Technology, 39(1T), p.151 - 154, 2001/01
本研究ではレーザーを用いた開放端系プラズマ内部のイオン温度、及び高速イオン計測手法を提案する。さらに核融合反応により生じた粒子がヘリウム灰として残留する割合や重水素-三重水素比等、炉心プラズマの実現と制御に対し重要な物理量の測定手法についても述べる。炭酸ガスレーザーによる微少角協同トムソン散乱法では、開放端装置における軸方向イオン温度及び高速イオン密度分布が単独のビームラインで同時計測可能である。また磁場に垂直な方向の散乱光成分を検出することで、イオンサイクロトロン周波数に共鳴した櫛形のスペクトル分布からヘリウム灰密度や燃料比が推定できる。本論文では開放端型炉心プラズマからの散乱光強度を計算により求め、本方式の実現可能性を示すとともに、現在稼働中のタンデムミラー装置GAMMA10において実証試験を行うための新計測方式についても言及した。
近藤 貴
プラズマ・核融合学会誌, 76(9), P. 888, 2000/09
電磁波の散乱波長がデバイ長より大きい場合の散乱現象。その散乱波長域で熱揺動以上の波動・乱れが励起されている場合は、そのスペクトル測定に用いられる。他方、熱揺動の場合の散乱スペクトルはイオンを遮蔽する電子群の協同(集団)運動のドップラーシフトを受けて、電子とイオンの双方の速度分布関数を反映する。後者を利用して、1970年代にはCOレーザーなどを用いてイオン温度計測の一手法として開発されたので、イオン・トムソン散乱とも呼ばれる。近年、核燃焼プラズマの粒子計測法の有力な候補として見直され、光源としてジャイロトロン(ミリ波)あるいはCOレーザー(波長10.6m)を用いて研究が行われている。前者は、JETで高エネルギー粒子を対象として測定が行われて(波長2.1mm)、TEXTORに引き継がれている。散乱角が大きくとれるが、プラズマ中の屈折のため散乱場所を同定する必要がある。後者はJT-60Uで開発が進められており、波長が短いため小角散乱にする必要があるが、屈折の問題は無く散乱場所の同定は容易。
二宮 博正; 飛田 健次; Schneider, U.*; Martin, G.*; Heidbrink, W. W.*; Kolesnichenko, Ya. I.*
Nuclear Fusion, 40(7), p.1287 - 1291, 2000/07
被引用回数:4 パーセンタイル:80(Physics, Fluids & Plasmas)原研那珂研究所で開催された第6回IAEA「磁気閉じ込め系における高エネルギー粒子」に関する技術会合の報告書である。トカマクにおける高エネルギーイオンの理論・実験研究が中心であったこれまでのトピックスに加え、逃走電子及びトカマク以外の磁気閉じ込め方式における高エネルギー粒子研究を加えたことが今日の会合の特徴である。本会合には60人を超える参加者があり、27件の口頭発表と19件のポスター発表が行われた。これまでトカマク中心に進められていたこの領域の研究がヘリカル装置、球状トカマク等へも拡大し、閉じ込め方式によって特徴は異なるものの基本的には同じ現象が起こることを確認できた。
炉心プラズマ研究部
JAERI-Conf 2000-004, p.140 - 0, 2000/03
本報文集は、1999年10月12-14日に日本原子力研究所那珂研究所において開催された標記第6回会合の報文を収録した。この会合は、これまで「核融合研究における粒子」というタイトルで、キエフ(1989)、アスペナス(1991)、トリエステ(1993)、プリンストン(1995)、及びアビンドン(1997)で開催された会合に引き続くものである。今回の会合では、粒子物理、高速イオンの輸送現象、高速イオンによる核融合プラズマへの効果、高速イオンの集団現象などの高速イオン研究に加えて、新たにディスラプション時の逃走電子、及び高速粒子に関するプラズマ診断法を対象テーマとした。出席者は60人を上回り、27件の口頭発表(うち招待講演8件)と19件のポスター発表があった。この報文集は、これらの研究発表のうち37件の論文を収録した。
飛田 健次; 福山 淳*
プラズマ・核融合学会誌, 76(2), p.138 - 144, 2000/02
高エネルギー粒子に関するITER物理R&Dの成果をまとめた。負磁気シアによる先進定常運転では粒子のリップル損失が危惧されるが、真空容器へのフェライト鋼挿入により壁の熱設計レベル(~1MW/m)に低減することができる。予想される粒子値では多数のアルフヴェン固有モード(AEモード)が不安定化する可能性がある。AEモードが不安定化したときの粒子損失は今後の検討課題である。また、ITERでは、粒子による鋸歯状振動の安定化、フィッシュボーン振動の不安定化も起こると予想される。
飛田 健次; 濱松 清隆; 滝塚 知典; 鈴木 正信*
プラズマ・核融合学会誌, 75(5), p.582 - 593, 1999/05
ITER最終設計の負磁気シア放電における粒子及びビームイオンのリップル損失を計算した。その結果、正磁気シアの場合と比べ、負磁気シアでは多大なリップル損失が生ずることがわかった。粒子損失は25%に達し、このときの第一壁への熱負荷は最大3.7MW/mとなり、第一壁の設計条件に対して裕度がない。また、ビームイオンの損失も20%と高くなる。リップル損失を許容レベルに抑えるためには、プラズマ表面でのリップル率を0.5%程度まで低減する必要がある。フェライト鋼の真空容器への挿入が最も現実的なリップル低減法である。このようなリップル率低減によって、粒子及びビームイオンのリップル損失は、それぞれ、10%及び4%となる。
草間 義紀; 木村 晴行
プラズマ・核融合学会誌, 75(5), p.525 - 536, 1999/05
核融合炉心プラズマにおいて、高速粒子の閉じ込めを劣化させる原因の一つに、高速粒子が起こす集団現象がある。トロイダルアルヴェン固有モード(TAE)が高速粒子によって励起され、それによる高速粒子の異常拡散が起こることが理論的に予測された。1990年にTFTRで行われた実験において、理論的予測どおりにTAEが発生し、それに伴う中性子発生率の低下が観測された。これを契機に、JT-60を含む多くのトカマク装置における実験と理論的研究が精力的に行われた結果、ここ10年間でアルヴェン固有モードの理解が大きく進展した。本編では、トカマクプラズマにおけるアルヴェン固有モードの実験と研究課題について、モードの励起と同定、しきい値と安定性、モード構造及び閉じ込めへの影響を中心に述べている。
高エネルギー粒子加熱及び電流駆動専門家G
Nuclear Fusion, 39(12), p.2471 - 2494, 1999/00
ITER物理専門家グループ活動の成果の集大成となる「ITER Physics Basis」のうち、ITERにおける高エネルギー粒子の物理をまとめた。ITERの設計においては、高エネルギー粒子の損失量の評価が重要である。定常的な損失となるリップル損失は低電流負磁気シア放電で問題となるが、フェライト鋼装着によるトロイダル磁場の均一化を行えば許容値以下まで低減できる。粒子の集団現象によって不安定化されるTAEモード等は、リップル損失より多くの粒子を一時的に損失させる可能性がある。これらの粒子損失に対処するため、第一壁は粒子負荷に対して裕度のある設計をする必要がある。同時に、TAEモード等の抑制の研究、及びリップル損失低減化の研究が今後期待される。
草間 義紀; Nazikian, R.*; Kramer, G. J.*; 木村 晴行; 三枝 幹雄*; 小関 隆久; Fu, G. Y.*; 飛田 健次; 及川 聡洋; 篠原 孝司; et al.
Fusion Energy 1998, 2, p.537 - 544, 1998/10
JT-60Uでは、負イオン源中性粒子ビーム(NNB)入射で生成される高エネルギーイオンで粒子を模擬し、アルヴェン固有モードの研究を進めている。高エネルギーイオンの体積平均値が0.1%程度と低い領域においても上記のモードが発生することを明らかにした。これは、磁気シアが弱いことによる。値が0.2%程度以上になるとアルヴェン固有モード領域にバースト的に発生をくり返すモードが現れ、わずか(数%)ではあるが高エネルギーイオンの損失を招く。また、アルヴェン固有モードは強い負磁気シアを持つプラズマでは安定化できることも新たに明らかになった。
丸山 智幸*; 仁井田 浩二*
Progress of Theoretical Physics, 97(4), p.579 - 586, 1997/04
被引用回数:8 パーセンタイル:57.34(Physics, Multidisciplinary)一核子当たり5GeV/uのエネルギーで粒子を入射させて全標的に衝突させる反応を、RQMDを用いて数値的にシミュレートさせて理論的な研究を行った。その結果、この反応過程において中心付近に穴のあいたエキゾチックな形の原子核が形成されること、その原子核はその後横方向に膨張して多重破砕片反応を起こして、小さな原子核に分裂することを示した。このような過程を経ることによって、中間質量破砕片の角度分布が横方向ピークを持ち、高エネルギー研究所の実験結果と一致することを示した。
三枝 幹雄; 草間 義紀; 小関 隆久; 木村 晴行; 藤田 隆明; 森山 伸一; 藤井 常幸; 安積 正史; Afanassiev, V. I.*; 閨谷 譲; et al.
Nuclear Fusion, 37(11), p.1559 - 1568, 1997/00
被引用回数:15 パーセンタイル:48.04(Physics, Fluids & Plasmas)核融合炉において、高速の粒子によって励起され、特に高速イオンの閉じ込めを劣化させることが予想されているトロイダルアルフベン固有(TAE)モードを、プラズマのトロイダル回転シアを用いて安定化できることを、JT-60Uにて実験的に確認した。また、詳細なデータ解析により、安定化のメカニズムは、トロイダル回転シアによるTAEモードの構造の変化に伴う減衰項、励起項の変化であることを確認した。
O.Dacosta*; 木村 晴行; 森山 伸一; 飛田 健次; 三枝 幹雄; JT-60チーム; D.Gresillon*
Proc. of 1996 Int. Conf. on Plasma Physics, Vol.1, p.246 - 249, 1997/00
JT-60Uにおいてイオンサイクロトロン放射(ICE)を真空容器内壁に設置した静電プローブによって測定した。重水素NBI加熱時に重水素のプラズマ外周部でのサイクロトロン周波数の整数倍の周波数を持つ放射のピークのみならずD-D核融合反応で生じるトリチウムのプラズマ中心部からの放射のピークも検出した。周辺部でのMHD不安定性(ELM)発生時に、これら2種類の放射の相反する振舞いを見出した。マクスウェル分布の重水素プラズマ中に減速分布関数を持つ高速粒子が存在する系で速波の熱いプラズマ分散関係を解き、プラズマからの放射エネルギー束の計算を行った。得られた高速粒子による励起放射スペクトルは実験で得られるスペクトルと多くの類似性がある。
明午 伸一郎; 高田 弘; 中島 宏; 佐々 敏信; 田中 進; 湊 和生; 小野 慎二*
原子核研究, 41(3), p.49 - 57, 1996/06
加速器施設の遮蔽研究においては、線源となる厚いターゲットから放出される中性子のエネルギースペクトルが重要であるが、測定例が少なくそれらの大半がアンフォールディング法を用いているので測定の精度は必ずしも十分ではない。そこで、本研究では飛行時間法を用いて、入射粒子の飛程よりも厚いターゲットにおける中性子スペクトルの測定を行った。入射粒子はP、、Cであり、それぞれのエネルギーは68、100、220MeVである。実験で得たスペクトルのエネルギー分解能と収量の誤差は、放出エネルギー20MeV以下の領域において10%以下と良好であった。本研究ではまた、量子論的分子動力学法モデルに統計崩壊を考慮したコードを用いて中性子スペクトルを計算し、実験値との比較を行った。計算結果は、陽子をCターゲットに入射する場合では実験と良く一致したが、その他の場合については実験と2倍以上の差があることがわかった。
三枝 幹雄
JAERI-Research 96-007, 199 Pages, 1996/02
磁気閉じ込め方式での核融合研究の先陣を走るトカマク型核融合炉において、プラズマ追加熱、非誘導電流駆動を目的としたイオンサイクロトロン波帯(ICRF)加熱方式についての工学的、物理的研究を行った。また、ICRF加熱を用いて、核融合炉内で高速粒子などにより励起され閉じ込め劣化を招くと予測されているTAEモードの研究を行った。少数イオンのICRF加熱にて加速した高速イオンで粒子を模擬し、励起されたTAEモードの特性研究を行うと同時に、電流分布制御によるTAEモードの抑制に成功した。
M.Hoek*; 西谷 健夫; M.Carlsson*; T.Carlsson*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 368, p.804 - 814, 1996/00
被引用回数:19 パーセンタイル:81.69(Instruments & Instrumentation)DDプラズマ中で発生する1MeVトリトン(T)はDTプラズマで発生する3.5MeV粒子と運動パラメータがほぼ同じであるため、Tの挙動から粒子の挙動を類推することができる。1MeV Tは、プラズマ中で減速し、DT反応を起こして14MeV中性子を放出する。ここでは、DD反応による2.5MeV中性子とトリトン燃焼による14MeV中性子の発生量を放射化箔法で測定した。測定されたトリトン燃焼率(14MeV中性子/2.5MeV中性子)は、プラズマ電流とともに増加し、プラズマの大半径とともに減少しており、トリトンに対するリップル損失を示唆している。
西谷 健夫; 朝倉 伸幸
プラズマ・核融合学会誌, 70(6), p.581 - 588, 1994/00
1991年に、JETで世界で初めてトリチウムを使用したトカマク実験(トリチウム燃料比約11%)が行われたのに続き、1993年12月には、TFTRにおいて、トリチウム燃料比が約50%の本格的DT燃焼実験が行われた。この実験では、プラズマ電流2MAのDプラズマに7本のトリチウムNBIと4本の重水素NBI(合計約30MW)を入射することにより、中性子発生率2.310n/s、核融合出力6.2MWを得た。本稿では、このTFTRのDT実験の結果を中心にして、核燃焼プラズマ実験の現状および問題点について述べる。